募る想いは果てしなく
好きな人が出来たら報告しなきゃいけない決まりなんてない。ないけど、やっぱり寂しい。
私の隣にはいつも早坂がいて。
早坂の隣にも私がいて。
一緒にいる時間が一番多い早坂のことを、誰よりも知り尽くしているのは私だと思い込んでいた。
私も知らない、早坂の近くにいる女の存在を、今日、こんな形で知りたくはなかった。
「私の知ってる人?」
「七瀬も知ってるヤツだよ」
「あ、そうなんだ」
知らない人だったら、まだ傷は浅かったのに。
私の知ってる範囲で早坂に近い異性。
そんなの限られてる。
「……かなえちゃん、可愛いしいい子だもんね」
「ちげーわ。鈴原じゃない」
「違うの?」
「さすがにないだろ」
「え、じゃあ誰。かなえちゃん以外にいる?」
「……いるだろ、まだ」
訝しげな瞳がこちらに向けられる。
他のスタッフさんだろうか。
でもみんな主婦だし、思い当たる節もない。
もしかして私に言えないような人……?
「……菅原エリアか」
「男じゃん」
「応援するぞ」
「あのな」
何かを言いたげな早坂から顔を背ける。
毛布を引っ張って、固く瞳を閉じた。
考えてもわからないものは考えても仕方ないし、その相手を知りたくない気持ちも強かったから。
「……やっぱり私、ここにいられないや」
「……え?」
「気になる人がいるんでしょ。怪我してるからって理由で、恋人でもない女を部屋に住まわせたらダメだと思う。お人好しすぎるよ」
「……」
「だから、明日出ていくね」
「……七瀬、俺は」
「おやすみー」
強制的に話を終わらせた私に、早坂はしばらく黙り込んでいたけれど。一呼吸置いてから、「おやすみ」と静かな声が返ってきた。
もぞ、と布団の擦れる音がして、背を向けられたのだと悟る。
こんなに近くにいるのに。
近くにいたはずなのに。
初めて早坂の存在を遠くに感じた。
私の隣にはいつも早坂がいて。
早坂の隣にも私がいて。
一緒にいる時間が一番多い早坂のことを、誰よりも知り尽くしているのは私だと思い込んでいた。
私も知らない、早坂の近くにいる女の存在を、今日、こんな形で知りたくはなかった。
「私の知ってる人?」
「七瀬も知ってるヤツだよ」
「あ、そうなんだ」
知らない人だったら、まだ傷は浅かったのに。
私の知ってる範囲で早坂に近い異性。
そんなの限られてる。
「……かなえちゃん、可愛いしいい子だもんね」
「ちげーわ。鈴原じゃない」
「違うの?」
「さすがにないだろ」
「え、じゃあ誰。かなえちゃん以外にいる?」
「……いるだろ、まだ」
訝しげな瞳がこちらに向けられる。
他のスタッフさんだろうか。
でもみんな主婦だし、思い当たる節もない。
もしかして私に言えないような人……?
「……菅原エリアか」
「男じゃん」
「応援するぞ」
「あのな」
何かを言いたげな早坂から顔を背ける。
毛布を引っ張って、固く瞳を閉じた。
考えてもわからないものは考えても仕方ないし、その相手を知りたくない気持ちも強かったから。
「……やっぱり私、ここにいられないや」
「……え?」
「気になる人がいるんでしょ。怪我してるからって理由で、恋人でもない女を部屋に住まわせたらダメだと思う。お人好しすぎるよ」
「……」
「だから、明日出ていくね」
「……七瀬、俺は」
「おやすみー」
強制的に話を終わらせた私に、早坂はしばらく黙り込んでいたけれど。一呼吸置いてから、「おやすみ」と静かな声が返ってきた。
もぞ、と布団の擦れる音がして、背を向けられたのだと悟る。
こんなに近くにいるのに。
近くにいたはずなのに。
初めて早坂の存在を遠くに感じた。