心が解けていく




抱きしめられていたのを解放されて、長谷 律の顔が見えた。


押し付けじゃなく、私のことも考えてくれている言葉で、思ったことを曇りなく伝えられる、シャープさがある。




嫌いなものを嫌いだと、声に出しても良いの?

それで嫌われたりは、しない?



声には出さなかったけど、頭で考えながらじっと長谷 律を見ていると、伝わったかのように笑顔で首を縦にゆっくりと振った。





「頑張らなくて良い…。好きなものも嫌いなものも、全部口に出して良いんですか?」


「もちろん。でも言いたくないことがあったら、それは留めておいたら良いから。お互いに無理はしたくないしね」


「長谷さんは…、やっぱりすごい方です。全部見抜かれてる気がします」


「そう?じゃあもう一つ、見抜こうかな」



< 94 / 265 >

この作品をシェア

pagetop