少女と過保護ーズ!!続
『雪代さんが感情がないなんて、ちゃんちゃら可笑しいですよね‼よく怒るし、優しい』

『優しい?』


何言ってんだ??

俺が優しいわけ・・・


『だって、聞いてますよ。あたしが来るときはいつもお菓子が用意してある。それは雪代さんの指示だって』


アレがシゲを見てから俺を見て嬉しそうに笑う。

俺はシゲを睨めば、おもいっきり視線を逸らされた。

首がもげそうだな、シゲ。


『シ・・・シゲさんよ・・・・』


あり得ない角度にビビるアレ。


『それにさっき、学校へは行かないって言ったら心配してくれた』

『・・・・・・・』

『冷血で冷酷な人は心配なんてしてくれない・・・・』


遠い目をするアレ。

バカ犬に何があったかは聞いていたが・・・。


『雪代さんは優しいです』


家族は持たない。

それは一生変わらない。


『お母さん‼‼』


目の前で大事な人を殺されたあの日に決めたーーーー。


だが


『ハイネ』

『ほぇい!?』

『若!?』


突然名を呼ばれ目を白黒させるアレとシゲ。


『俺は家族なんかいらん』

『・・・・』

『だが、まぁ、こんなバカ』

『バカ!?』

『バカ犬じゃあ、躾られねぇだろ。俺がやる』

『若‼それって!?』



『ハイネ、覚悟しろ』



お前はこれから先、たった1人の俺の娘。

遠ざけて、遠ざけて、アレが助けを求めてきたら、手を差し出す。

そう決めていた。

あくまで、アレはバカ犬の娘で、"黒豹"の姫だ。

二代目が守るべき者。


それが・・・・

アレは拐われ、消えない傷まで負わされた。


赦せるわけがない。

誰の娘を拐い、傷付けた、この虫ケラが。

1週間たった今でも怒りは消えない。


病院でコンコンと眠るアレを思い出す。

いつもの笑顔はどこにもなく、真っ青でたまに魘されてもいるアレを。

この虫ケラがそうさせた。


ドッッ‼

ガッッ‼

ゴッッ‼



「も・・・・ゆるし・・・・」

「喋れるんじゃねぇ。殺すぞ」


ガッッ‼


「っっがぁっ!?」


原形を留めてない虫ケラの顔を踏みつける。


『ハイネなら、もう大丈夫だよ。ユッキー』


バカ犬がそう言って、笑った。

大丈夫??

そんなわけ・・・・


「若‼若‼来たっっ‼来たっっスよ‼おチビが‼」

「やっと、来たか」


俺は蹴るのを止めた。


遅ぇよ。

足は大丈夫か?

心の傷は?


笑顔を見せてくれ、俺の娘。


俺は呼びに来たシゲを置いて、アレに会うべく歩き出した。
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