少女と過保護ーズ!!続
八雲side


置いて行かれた……。

ギャンギャン大騒ぎで出て行くハイネと竜ちゃん。

残された俺と雪代さん。


気まずい……。

ハイネを物扱いしたつもりはない。

ただ雪代さんにハイネを取られたくなくて……嫉妬して。

痛いって(正確には、いーだだだだだだっ)泣きそうな顔をしてたのに……。


アホだな、俺は。

一番悲しませてはならない大好きなハイネを悲しませた。

両親を亡くしたハイネにとって"家族"は何より大事なものなのに。

俺が言ったのは、ソレを否定する言葉だ。


ごめんな、ハイネ。

そうだよな。

お前との仲は全員に認められて、堂々と付き合いたい。


俺は未だに少し呆気にとられてる雪代さんに向き合った。


さっきまでの剣幕はなく、どっちかっていうと途方にくれてる?

ハイネに言われて?


「雪代さん」


呼べば目が合う。

その目には温度がなく、冷めてる。

それがハイネとか初代の人達を見るときだけ温かくなるのを知ってる。


「ハイネに先に言われるとは、男として情けねえんッスけど……」

「……」

「俺もハイネが好きです。大好きです。ハイネしか考えられない」


出逢ったあの日の笑顔も。

苦しそうに悲鳴のような声で泣く泣き顔も。

けったいな雄叫びをあげる所も。

珍解答が多い所も。

自分よりも人を優先する優しい所も。

寂しがり屋で家族が大好きな所も。


そして……。


俺に、俺だけに向けられる甘い呼び声と蕩けんばかりの笑顔も。


「ノロケか?」

「え!?」

「全部口に出てんぞ」

「え"!?」


おもわず口を押さえる。

ハイネの癖が移った!?


「お……や……あのっっ」

「クッ……」


小さな笑い声がした。

見れば、雪代さんが笑ってる。


おおおっ‼

初笑顔……笑顔??
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