少女と過保護ーズ!!続
「……ちゃんと考えているんだな」

「当たり前です。幸せにしたいんですよ」


誰よりも。


「……たまには……会ってもいいか?」


遠慮がちな声。

らしくないことを言ってると思ってるのか、頭を乱暴に掻き視線を合わせてこない。

いつも、いつも、ハイネに会うときは細心の注意を払ってる。

己の仕事関係にハイネを巻き込まないように。

俺が変わったのは勿論だけど、この人も変わったよな。


「いつでも。ハイネは喜びますよ」


なにしろ俺が妬くほどの、パパッ子だからな。


「そうか」


ホッとした様子の雪代さんに、つい笑ってしまえば不機嫌丸出しで舌打ちされた。

それもまた面白い。


「今日は……呑むか」

「良いんッスか?」

「呑めるんだろう?」

「もちろん」


酒は二十歳からだけどな。

俺も、皆も普通に呑む。

まぁ、絶対に飲酒運転だけはしねぇがな。


バレなければ良い?

んな訳あるか。

もしそれで、誰かにとっての大事な人を殺してしまったら?

生きていけねぇ。

やってしまった後では取り返しがつかないのだ。


特に"命"は。

たった1つしかない、尊いもの。


"黒豹"で飲酒運転をした者には、制裁のち抜けさせる。

二度と"黒豹"の名は名乗らせない。


「後で迎えをやる。他の奴らは?」

「ノロが一人と風邪が二人、入院中です」

「バカは風邪引かねぇだろうが」

「バカはノロです」

「あの般若か」


般若って、蓮のことか??

呆れてる雪代さん。

こればかりは仕方がない。


この寒さの中、雨に濡れたのだ。

しかし……蓮にいたっては、なんでだ?

わからん。


竜ちゃんとハイネはまぁ……さっき雪代さんが言った通りだと思うが。


「じゃあお前とバカ2代目だけだな」

「そうなりますね」

「アイツにはさっきの礼をしてやる」


手を叩き落とされたことか?

ああああ……

御愁傷様、竜ちゃんよ。

まっ竜ちゃんなら雪代さんと渡り合えんだろ。


「酒のツマミは任せてください」

「ほう?何だ?」

「ハイネの秘蔵写真コレクションです」


他じゃ見れねぇ、超レア物ばかりだ。

蓮のも持ってこよ。

アイツ、俺の持ってないもん持ってるからな。


『『ブワーーーーーーーックション‼‼‼‼』』



その頃、ハイネと蓮がクシャミをしてるなど露知らず。


「それは、上等の酒が必要だな」

「楽しみにしてます」


どうやらツマミがお気に召してくれたらしい。


約束をして俺も事務所を後にする。

もはやハイネの姿はない。


許してもらえた……そう言えばハイネは喜んでくれるか?

さっきの失言を許してくれるか?


早く伝えたくて、バイクに跨がりエンジンをかけた。
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