少女と過保護ーズ!!続
鯛焼き……美味しいのに。

いつもと変わらず美味しいのに。


何でだろ……


「おいおい、久しぶりに顔を見せたと思ったら、チビ姫お前、俺の鯛焼きをなんて不細工な面で食ってんだ。そんな顔で食われたら美味いもんも不味く思われんじゃねぇか」


不細工!?

独特のダミ声で話しかけてきたのは、ココの店主のおっちゃん。

通う内に顔見知りになり、仲良くなったのだ。


二言、三言いつも何かしら声をかけてくれる。

今は、休憩中なのか片手にお茶を持って近くに座ってきた。


「おおっ……。おっちゃんゴメ……」

「………やだっ、"黒豹"だ。何??揃ってんじゃん、あの店大丈夫?狙われてんじゃん?」


謝ろうとすれば、また聞こえてくるーー声。


「……っっ」


どうして……


「おばちゃん‼俺にも焼かせてくれっっ‼」

「俺もっっ‼俺もやりたいっっ‼チビネに俺が焼いたやつを食わせるんだ‼」

「おいおい、竜ちゃんも蓮も、美保を困らすんじゃねぇよ」


……喧しいな。

なんなんだっ‼

なんなんだっ‼

竜希さんも蓮くんも桂も、今の話し聞こえてたでしょ?


どうして、そんなにいつも通り……


「おいっ。バカ共。ソレの仕事の邪魔をすんじゃねぇよ。んで桂テメェ、人の嫁を口説くな。ソレは俺のだ」


おっちゃん吠える。

ここの夫婦はいつもは、ギャンギャン喧嘩してることが多いんだけど、おしどり夫婦の仲良しさんなのだ。


今も


「イヤだわー、あんた。みんなの前で」


なんて、おばちゃんが照れてる。

この商店街の人達は昔ながらの商売気質で豪快。

気の良い優しい人達ばかりで、あたしの目標になる人達ばかりだ。

そんな人達に"黒豹"が"家族"が疑われるなんて……そんなの。

嫌……


「そんでお前はなんでそんな悔しそうな顔して、下を向いてるんだ??」

「……」

「……ハイネ」


麻也が心配そうにこっちを見てくる。


「なんだ、さっきの今話題になってる話は……強盗事件は本当にお前らだってか?」




「違うっっ‼‼」
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