少女と過保護ーズ!!続
違うっ

違うっっ

違うっっ‼


あたしは顔を上げて、おっちゃんを睨む。


断言する。


"黒豹"は"家族"は暴走はするけど、バイクが大好きなだけの集団で、そんな人様のお店の物を盗むような人達ではない‼


「なら、何を言われても顔を上げて前を見てろ」

「……っっ」

「そんな顔で俯いてりゃあ、本当で言い返せねぇんじゃねぇかと思うじゃねぇか」

「ぐぅっ」


本当だ……。


「チビ姫ちゃん。私達はね、商店街の皆は誰1人"黒豹"が、あなた達がそんなことをするなんて思ってないわ」

「そうだ。お前らはアホでバカだが……」


おっちゃん……。

あたし達凄い言われようだな……当たってるけど。


「「いや、俺はアホでもバカでもない」」


八雲さんと麻也、完全否定。

そんな真顔で。


「信念をしっかり持ってるしな、お前らに助けられた奴らもたくさんいる。そんなのが強盗なんてするか」

「おばちゃん……。おっちゃん……」


二人を見れば、ニカッと同じ顔で笑ってくれてる。


「あたしは信じられないな。"黒豹"がそんなことするなんて」

「!?」


さっきのとは、違う女の子の声。

あたしはそっちを見た。

大人しそうな女の子だった。

歩きながら下を向いて、言葉を紡いでる。


「だってあの人達……いつも何かしらの人助けとかしてるの見るし……あたしも助けられたし」


え‼??

柔らかな表情と暖かな声。


「あたしは"黒豹"を信じてるよ」


ああ……。

ああ‼


「確かにねー、何かおかしいかも……」

「だね、じゃ、あたしも信じる‼」

「ほらな」


女の子達の話しにドヤ顔で笑うおっちゃん。

に、あたしもつられて笑ってしまう。


「ハイネ」

「麻也」

「心配かけてごめん」


麻也も笑って、頭を撫でてくれる。


「ハイネ」


八雲さんが鯛焼きをスイッとあたしの口元へ。


「あーん」


目を細めて、そんなことを言ってくるからパクっとかじりつく。


「美味しい」


その言葉に嬉しそうに笑う八雲さん。

さっきのと一緒なのに。

なのに、凄く美味しい。


「当たり前だ」

「おっちゃん、カッコいい……」

「当たり前だ」

「「「アハハハハハハハハハ‼‼」」」


ブレないおっちゃんに皆が笑う。

"黒豹"はこんなに皆に信じてもらえてる。

それがこんなにも、力強く嬉しい。


もう、誰に何を言われても大丈夫だ。


さっきの沈んだ空気はどこにもなく。


「よし、んじゃ会議を始めっぞ」

「会議??」


竜希さんと桂と蓮くんがカウンターから戻ってきて、おっちゃんがあたしの背をおもいっきり叩いて仕事に戻っていく。


「グッハッ‼??」


おっちゃん‼

力強いがな‼

しかし、会議って??


ゴトンッゴトンッゴトンッ‼‼


テーブルに戻ってきた竜希さんが、何かをテーブルに放ってきた。


それは……アクセサリー。


指輪、ピアス、ネックレス……色々あるけど、共通してるものが。

それは

"黒豹"の刻印

なんだけど……。



「ブッサイクだなっ‼」


その"黒豹"は本物とは、あたし達が着けてるものとは似ても似つかない、とんでもなく粗悪品だったーー。
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