神に選ばれなかった者達 後編
「…終わった、のか?」

「…多分ね」

これで、この夢の中大病院に巣食うバケモノ共は、残らず討伐したことになる。

つまり、これでミッションコンプリート。

いやはや。長いようで短く…やっぱり長かったな。

「っていうことは…明日からは、また違う場所で戦うってこと…?」

困惑した様子で尋ねるみらくちゃん。

…残念ながら、そういうことになるな。

「この世界でやることが終わったら、次はまた別の場所に送られる。そこで…また、新しい敵と戦わなきゃいけない」

言いたくないことだろうに、李優君ははっきりと、みらくちゃんにそう伝えた。

「…そっか…」

だけど、みらくちゃんはもう、泣いたり喚いたり、現実逃避をすることもなかった。

可哀想だけど、彼女も現実を受け止めようとしていた。

逃げたくても逃げられないんだから、立ち向かうしかないよな。

そして、それはふぁにも同じだ。

明日からは、また別のバケモノと…。

これから先も、ずっと、ずっと…終わりなく…。

「…」

…あぁ、考えまい。

それはふぁにが考えることではない。

ふぁにはただ、自分に課せられた役目を果たせば良い。

現実でも、夢の中でも。

淡々と、自分の置かれた運命に対峙する。






…いつか、ふぁにが耐えられなくなるまで。







あなたが耐えられないならばⅣ END





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