キミのために一生分の恋を歌う -first stage-
晴さんの実家へ着くと、優しそうなお母さんと真面目そうなお父さんが迎えてくれた。
お兄さんの和臣さんと奥さんは後から来るとの事で、ひとまず私たちは部屋に通された。

「晴が本当に可愛い女の子ばかり連れてきて、お母さんびっくりしちゃったわ。でも家が華やかになってやっぱり女の子っていいわね」

お母さんは何だか嬉しそうに笑っていた。

「母さん言っただろ。この子達は仕事で来てて遊びじゃないって」
「まぁ、ゆっくりしていくといい……」

お父さんはそれだけ伝えて自分のお部屋かな? に戻っていく。
お母さんに案内されたのは和室で、い草の懐かしい香りがした。
お布団は3つ並んでて、何だかあまりに見慣れない光景にワクワクしてしまった。

「ねぇ、小夏。せっかくだから晴さんの部屋に行ってみたら?」
「え? 私だけ?」
「運が良かったら小さい頃の写真とか見れるかもよ?」

すみちゃん、なんて策士な!!

「うちは小春と話してるし」
「うん〜ねぇすみちゃん勉強教えて」
「数学以外なら。毎回赤点回避するのに必死だから」
「大丈夫! 私は大体全部できるけど、夏休みの宿題多すぎてさ。すみちゃんレベルでも手を借りたいのよ」
「何言ってんの、生意気小春~!!」

とか何とか、二人がじゃれあっているうちに、私は部屋を出て晴さんの声のしている部屋に向かってみる。
ちょっと聞きたいこともあったし、ちょうどいい。
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