キミのために一生分の恋を歌う -first stage-
「私が事務所に小春といる間、すみちゃんと話してたでしょ? その時の晴さんの表情が暗く見えた気がして」
「ああ、見えてたんだ。あの時すみさんに聞いてたんだよね、小夏のこと」
「私のこと?」
私のせいでまた晴さんの気分を害してしまったのかと思うと、胸がチリチリと痛くなった。
晴さんは大丈夫、と呟いて話を続ける。
「小夏が時々、泣いている理由を聞いたんだ。僕には何も力になれないかもしれないけど。小夏から話してくれないってことは、話せない理由があるんだと分かってるけど。それでも何か出来ることはないかって思ったから」
「晴さん……!」
私は切なそうに話す晴さんの手を取った。いつもより少し冷たくて、自信なさげで、それがとても愛おしいと思った。
晴さんは寂しげな瞳のまま言う。
「すみさんは知ってるけど、私から教えてあげることはできないとハッキリと言った。もし本気で知りたいと思うのなら、貴方もそれ相応の対価を小夏に支払わなきゃいけない。覚悟とか代償と言ってもいい。それを貴方は支払えるのでしょうか、と聞いてきた」
実にすみちゃんらしい答えだった。
私はすみちゃんが親友でよかったと感謝する。
私の言葉にならない思いをすくってくれる。
「ごめんなさい、勝手に心配かけてるのに。いつも何も言えなくて……」
「全然。でもすみさんのお陰で腑に落ちた気がするんだ」
「腑に落ちた?」
「僕は確かに小夏に何も差し出してないなって。なのに小夏のことを無理に知りたくて、何かしてあげたくて、救ってやった気になってた。傲慢だったかな」
「そんなことない!」
晴さんは、今の私の希望だった。
いつの間にか気持ちが溢れ出して、臆病だった私が前を向けたのは、晴さんのお陰。
「小夏はそんな風に受けとる子じゃないって本当は分かってるよ。それにこれから先、僕が何かを差し出すことで、覚悟をもってる証明にして、それで小夏の気持ちを無理やりこじ開けたいとか思ってるわけじゃない。でも、僕はただ小夏のことをちゃんと思ってることを証明したい。だから明日小夏に会ってもらいたい人がいるんだ」
「分かった。私も、もっと晴さんのこと知りたいって思ってる。それは本当の気持ち」
すると、晴さんは後ろを向いて本棚からひとつ、アルバムを取りだした。
これでいいかなぁとか独り言をいいつつ。
「それとこれも。はい、あげる」
「え!?」
「すみさんが言ってたんだよ。これをあげたら小夏は絶対喜ぶって」
手渡されたのは、小学生くらいの晴さんがバスケットをしてシュートを決めてる写真だった。
顔が全然変わってない。ミニ晴さんだ。
「う、嬉しい!! 絶対お守りにする。ライブの時も絶対持っておく」
「恥ずかしいからやめてくれ」
「やだ!」
じゃあもう返せと晴さんが追いかけてきたので、全力で抵抗した。
むしろもっとくださいと言うと、晴さんはいつもの柔らかな表情で笑っていた。
「ああ、見えてたんだ。あの時すみさんに聞いてたんだよね、小夏のこと」
「私のこと?」
私のせいでまた晴さんの気分を害してしまったのかと思うと、胸がチリチリと痛くなった。
晴さんは大丈夫、と呟いて話を続ける。
「小夏が時々、泣いている理由を聞いたんだ。僕には何も力になれないかもしれないけど。小夏から話してくれないってことは、話せない理由があるんだと分かってるけど。それでも何か出来ることはないかって思ったから」
「晴さん……!」
私は切なそうに話す晴さんの手を取った。いつもより少し冷たくて、自信なさげで、それがとても愛おしいと思った。
晴さんは寂しげな瞳のまま言う。
「すみさんは知ってるけど、私から教えてあげることはできないとハッキリと言った。もし本気で知りたいと思うのなら、貴方もそれ相応の対価を小夏に支払わなきゃいけない。覚悟とか代償と言ってもいい。それを貴方は支払えるのでしょうか、と聞いてきた」
実にすみちゃんらしい答えだった。
私はすみちゃんが親友でよかったと感謝する。
私の言葉にならない思いをすくってくれる。
「ごめんなさい、勝手に心配かけてるのに。いつも何も言えなくて……」
「全然。でもすみさんのお陰で腑に落ちた気がするんだ」
「腑に落ちた?」
「僕は確かに小夏に何も差し出してないなって。なのに小夏のことを無理に知りたくて、何かしてあげたくて、救ってやった気になってた。傲慢だったかな」
「そんなことない!」
晴さんは、今の私の希望だった。
いつの間にか気持ちが溢れ出して、臆病だった私が前を向けたのは、晴さんのお陰。
「小夏はそんな風に受けとる子じゃないって本当は分かってるよ。それにこれから先、僕が何かを差し出すことで、覚悟をもってる証明にして、それで小夏の気持ちを無理やりこじ開けたいとか思ってるわけじゃない。でも、僕はただ小夏のことをちゃんと思ってることを証明したい。だから明日小夏に会ってもらいたい人がいるんだ」
「分かった。私も、もっと晴さんのこと知りたいって思ってる。それは本当の気持ち」
すると、晴さんは後ろを向いて本棚からひとつ、アルバムを取りだした。
これでいいかなぁとか独り言をいいつつ。
「それとこれも。はい、あげる」
「え!?」
「すみさんが言ってたんだよ。これをあげたら小夏は絶対喜ぶって」
手渡されたのは、小学生くらいの晴さんがバスケットをしてシュートを決めてる写真だった。
顔が全然変わってない。ミニ晴さんだ。
「う、嬉しい!! 絶対お守りにする。ライブの時も絶対持っておく」
「恥ずかしいからやめてくれ」
「やだ!」
じゃあもう返せと晴さんが追いかけてきたので、全力で抵抗した。
むしろもっとくださいと言うと、晴さんはいつもの柔らかな表情で笑っていた。