キミのために一生分の恋を歌う -first stage-
コンコンと晴さんのいる部屋をノックした。
すると、髪を軽く固めて涼しげにかきあげ、白い半袖シャツに黒いスボンでスーツ姿の晴さんがいた。

「あれ? 晴さん今日スーツなの?」
「気分的にちょっとくらいしっかりした格好しようと思ってね。小夏は僕と今日一緒に出かける話をすみさんから聞いてきたとこかな?」
「あ、またすみちゃんと全部打ち合わせ済みだったんだね」
「まぁまぁ。昨日、結構ゆっくり話せたからね」
「私はこの格好で大丈夫? もっとかっちりした格好する?」

私は紺のワンピースにいつものように髪は後ろで一つにまとめていた。
多分どこに行っても悪目立ちはしないだろうけど、TPOってやつを確認した方がいいよね。

「大丈夫。小夏はそのままで十分キレイだよ。それに全く気を使うこともないから」
「そうなの? 分かった」
「じゃあ行こっか」

そうして先に出ていったすみちゃんや和臣さん達にお別れを言った。
もう一泊させてもらう旨をお父さんとお母さんに頭を下げてお願いしたあと、晴さんの車に乗って目的地へと向かうことにした。

「昨日話した人に会いに行く前に、小夏は少し寄るところがある」
「どこ?」
「病院。栄養剤と喘息の点滴いれよう。大丈夫、2時間くらいで終わるから。時間的には十分間に合う」
「え〜」
「昨日も今朝も全然食べてなかったし、さすがに見過ごせない。夜は発作起きなかった?」
「少し咳出たくらい。吸入したら治ったよ」

なら余計必要だな、と晴さんは車を走らせた。
お医者さんモードの晴さんに抵抗しても基本的には無駄なので、私は大人しく言うことを聞くことにした。
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