お菓子の国の王子様〜指切りした初恋は御曹司の溺愛プロポーズへ〜
「……ごめん。全部、俺のわがままだ。俺が作った指輪を着けた君を、ちゃんと紹介したかった。家族にも、ずっと急かされてたし」


彼女は納得してくれたようだが、まだ何か引っかかっている気がしてならない。


「まだあるよね、聞きたいこと」

「……」

「何でも答える。全部、ちゃんと話そう」

「……」


彼女の頭の中では、さまざまな思考が入り混じっているようだ。

大丈夫、ゆっくりでいい。


「言いにくいこと? それとも、誰かに何か言われたの?」


少し助け舟を出す。


「あ、あ、あのね……あのね……雅さんが甘い香りをつけて帰ってきた時、すごくショックだったの。その上、予定が嘘だってわかって」

「うん、俺が傷つけたことはわかってる。ごめんな」

「あのね、違うの……もちろん傷ついたけど」


しばらく沈黙していた彼女の顔に、焦りの色が浮かび、それが諦めへと変わっていった。

それに彼女自身も、以前こう言っていたーー
「誰も私がどう思っているのか、決める前に聞いてくれない。何だか自分がどうでもいいように扱われているみたいで、いてもいなくてもどうでもいい存在のように感じる」と。


「……ううん、やっぱり何でもない」


諦めた彼女が立ち去ろうとしたので、腕を掴み、膝の上に座らせた。


「ちゃんと話さないと、ずっと不安なままだよ。何がそんなに君を悩ませてるのか、教えて」


何度か言葉を発しようとしたが、うまくいかず、最終的には俺の胸に顔を埋めて抱きつき、声を殺して泣き出した。

頭上に軽く顎を乗せ、落ち着かせるように背中をさする。


「ゆっくりでいいから」


君が話せるまで待つ。
焦らなくていい、ゆっくりで大丈夫だから。
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