あなたは本当に憧れの先輩? 6年ぶりの再会は運命の出会い
週末、澄川家へお袋とオレら家族で挨拶へ行った。

尚は、広い澄川の家の中をトコトコ歩き回っているので、凛が付いて回る。

「凛さん、アメリカへ行っちゃうのね。寂しくなるけど日本に帰国したら、是非遊びにきてね!
尚くんは私が見てるから和室でゆっくりお話ししてて」

「はい。ありがとうございます紗良さん。
すみませんが少しの間よろしくお願いします。泣いたら呼んで下さいね」

「わかったわ。さぁ尚くん。おばさんとお庭で遊ぼうね! 貴志〈たかし〉も一緒に来て〜」
と小学校高学年になった貴志くんが、尚の手を引いてお庭へ向かって行った。

私は紗良さんにお辞儀をしてから和室へ向かった。
「失礼します」

「アレ?尚は?」

「紗良さんと貴志くんとお庭で遊んでもらう事になったの」

「お〜、尚もしばらく見ないうちに大きくなったな宙。」

「ああ。爺ちゃん、皆さん。
これからはアメリカでの永住となります。
もちろん日本へ帰ったりもするけど、本当に今までお世話になりありがとうございました。」

「そうかぁ…寂しいなぁ…
ワシがアメリカへ遊びに行ったら案内してくれよ!宙。」

「ああ、澄川家ご一行様で遊びに来てよ。
いつでも大歓迎だからさ!」

「サンキュー。宙」ハハハとお爺さんが笑った。
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