繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
 ずっと一緒に居ても問題ないし、お出かけだって堂々と出来る。

(夜会も一緒に――って、私まだデビュタントもまだの十五歳だっけ)

 でもこのまま歳を重ねれば彼にエスコートを頼むことだって出来るのだ。
 あとは私がひっついていることをテオドルが嫌がらないかどうかだが、彼は根が真っすぐで優しいのできっと大丈夫だろう。

「まぁ、私を殺した相手に優しいも何もないんだけど」

 それでもこれから彼と過ごす日々を想像したら顔が緩んでしまう。
 やっぱりどうしたって好きなのだ。

 私が卓上に置かれたベルをチリンと鳴らすと、すぐにリーヤが部屋に入ってきてくれる。
 
「お呼びでしょうか」
「今テオドル……お義兄様がどこにいるか、いいえ、やっぱりこの手紙をお義兄様に渡してくれる?」

 彼のいる場所に突撃しようと思ったが、ふと今までのどの世界線でも彼と手紙のやり取りをしたことが無かったことに気付き、思いつきで彼に手紙を書く。
 手紙と言っても即席なので『ティータイムをご一緒しましょう』という一文だけの簡単なメモを折り畳み封筒に入れただけのものである。
< 64 / 126 >

この作品をシェア

pagetop