繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
 それでもテオドルに手紙を書くという行為が特別なものに感じたし、彼からの返事も一言で『わかった』とだけだったけれど、私にはその初めての手紙が特別なものに思えて大事に引き出しの中へと仕舞ったのだった。


 その日の昼過ぎ、おやつには少し早い時間に扉がノックされる。
 扉の向こうには貴族令息が着るような少しゆるりとした白いシャツに細めのタイを合わせた格好をしたテオドルが立っていた。

(本当に伯爵家の子になったのね)

 約束したティータイムを一緒に過ごすために迎えに来てくれた彼に少し浮かれながら、差し出された腕に自身の手をそっと絡める。
 
 謎の頭痛を明け方に引き起こした私は、大事を取って別メニューのランチを部屋ひとりで食べたので、彼とテーブルを囲むのは回帰前も含めて初めてだった。

「思ったより早かったのね」
「ソフィさ……、んんっ、ソフィと一緒に少し庭園を散歩しようかと思って」

(今、様付けで呼ぼうとしたのかしら?)

 少し照れ臭そうにじわりと頬を染める彼が可愛い。
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