繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
 叱られるようなことをしたかと首を捻っていた私へと告げられたのは、家庭教師の話だった。

(スウェン先生のことね)

 そういえば私に家庭教師が付けられたのは丁度今ぐらいの時期だったことを思い出しつつ父からの言葉を待つ。
 この流れは過去に何度もやったのだ。慣れている。
 今から父に家庭教師の名前を告げられ、その名前に「あの秀才と有名な?」と返事をすればいいだけ。何も難しいことはない。

(彼に下心があったとしても、別にどうとでもなるもの)

 条件のいい結婚をしたいのはどの貴族も同じだ。特に嫌悪感はない。
 心配なのは、前回先生の話をしていて死んだことだが、あれはほぼ私が勝手に落ちただけの事故である。
 ならばバルコニーに近付かないようにするか、昔のように一階の部屋へと変えて貰ってもいいかもしれない。

 なんて、そんなことを考えていた時だった。

「テオドルと同じ家庭教師をつけることになった」

 そう言った父の述べた家庭教師の名前が、スウェン先生ではなかったことに愕然とする。
 
「え?」
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