繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
 内心血の繋がらない、突然出来た兄という存在に私が反発するかもしれないと心配していたのかもしれない。

(するわけないわ。むしろ喜んでるくらいだもの)

 元々爵位には執着無かったし、最初の人生では全てを捨てて駆け落ちしようと――

「……駆け落ち?」

 そうだ、あの時確かに私は庭師のテオドルと駆け落ちしようとしていたのだ。

「ソフィ?」
「な、なんでもありません、私部屋へ戻ります!」
「あ、あぁ」

 どうしてこんなに重要なことを忘れていたのだろう。
 そうだ、私とテオドルは秘密の恋人同士だった。
 グラジオラスの花言葉は、テオドルが教えてくれた意味もあるけれど、白い花の花言葉は『密会』。
 庭師のテオドルが私へ教えてくれ、それを秘密の合言葉にしていたことも思い出した。

「どうして今は恋人じゃないの?」

 私の気持ちは変わらない。じゃあテオドルの気持ちがもう変わってしまったということなのだろうか。
 そう思うと心が一気に沈んでしまう。

 それにそもそも最初の時は何故死んだのだろう。
 駆け落ちをしようとしていたってことは、誰かに私たちの関係がバレてしまったのだろうか。
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