繰り返し何度も私を殺すその人が何度死に戻っても好きな件
 テオドルもこんなことで怒るような人ではないし遠慮する必要なんてないと思うのだが、彼女は頑なに首を振る。

「テオドル様がソフィ様の為にご用意されたものです。全てソフィ様がお召し上がりください」
「うーん、じゃあせめて紅茶を淹れようか?」
「それも自分で出来ますから」
「すごく瑞々しくて美味しいのにぃ。ならオレンジだったらどう?」
「お気遣いは本当に不要ですからっ! あ、水差しの水が減っておりますね、取りに行ってまいります!」

 ふたりがかりでリーヤへと畳みかけると、焦ったように早口でそう言ったリーヤが、まるで今思い出したかのようにそう口にして部屋を飛び出した。
 そんな彼女を見て、私とテオドルが顔を見合わせ同時に吹き出す。

 私とテオドルは、今や誰から見ても仲良しの兄妹になっていた。
 一緒の家庭教師に勉強を教わり、出された課題をテオドルの部屋で解きながらわからないところはこっそり聞いて教えてもらう。
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