傷心女子は極上ライフセーバーの蜜愛で甘くとろける
 岩盤浴の後はバーでノンアルコールカクテルを嗜み、一息ついたところで高温のフィンランドサウナに挑戦した。
 どちらが長く入れるか勝負をして、先に音を上げたのは凪の方だった。二人揃ってサウナを出て、シャワーを浴びてから外にあるインフィニティプールへ向かう。
 
「はー、熱かったー!」

 ホカホカに火照った体を冷ますように、凪は肩までプールの水に浸かった。
 漣なんて肩どころか頭まで潜っている。
 しばらくするとザブンと大きな水飛沫を立てて、漣が勢いよく水の中から飛び出した。

「あー!めちゃくちゃ気持ちいー」

 天を仰ぎながら、漣は濡れた前髪を無造作にかきあげた。そんな些細な仕草にすら色気が滲んでいて、ズルい。
 水に戻った漣はすごく生き生きとしていて、早速背浮きをして全身で水の感触を味わっている。
 そんな彼を微笑ましく眺めていると、不意に彼は凪の手を水の中から掬い上げた。

「こっち」

 船が海を滑るようにスーッと軽やかに漣はプールを泳いでいく。
 その美しいフォームに目を奪われながら凪も彼の後を追ってプールの海側の縁へと泳いだ。
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