傷心女子は極上ライフセーバーの蜜愛で甘くとろける
「ん、んぅ……」

 スパを後にし、漣の部屋に連れ込まれるやいなや、凪はベッドに押し倒されていた。待ちきれないとばかりに覆い被さった漣から、貪るような口付けが与えられる。
 肉厚な舌が口内に潜り込み、凪の口からは甘い吐息が溢れでた。

「もっと舌を絡めて」

 熱い吐息と共にそう囁かれ、凪はうっとりと目を閉じて舌を伸ばした。
 互いの舌を何度も擦り合わせて、生まれてくるのはゾクゾクとした疼きだ。キスだけでこんなに気持ちよくなれるなんて知らなかった。周吾はいつも早く先に進もうとして、キスはおざなりだったから。

 体の中心に熱が灯るのを感じていると、漣が凪のフレアワンピースを捲し上げた。日に焼けた大きな手が秘すべき場所に凪の脇腹に触れた。

 皮膚を上る固い手のひらは想像したよりもずっと熱かった。
 思わずビクリと体が揺れると、首筋に口付けを落としていた漣が顔を起こしてニッと笑った。

「緊張してるのか?」

 その言葉に、凪はおずおずと頷いた。
 周吾以外の人と体を重ねるのは初めてだった。他にも付き合ったことはあるけれど、付き合いが浅いうちから体を許す気にはなれず、大抵関係が発展する前に別れてしまっていたから。
 今日初めて出会った人と体を重ねたことなんて、もちろんなかった。凪の胸は緊張と期待でずっとドキドキしている。
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