傷心女子は極上ライフセーバーの蜜愛で甘くとろける
「……他の人とするの、初めてだから……」

 かき消えそうな声で呟くと、なぜか漣の眼差しが険しいものに変わった。

「他の男のことなんて考えるなよ」

 低く唸り、漣が凪の首元に歯を立てた。
 噛み跡は残らないほど、けれども甘噛みというには少し力強く。肌に刺さる歯の感触は、凪に対する独占欲を表しているようだった。

「凪は俺のことだけ考えてろ」

 たちまち、全身に甘い痺れが走った。
 目の前の男が自分を求めているという事実に、どうしようもなく心が浮き立つ。
 体の芯に灯った熱情はより熱く、より大きくなり、それは彼がより深く凪に触れるといっそう強くなった。

「はあぁ……んっ……ああっ……」

 獣のような荒い吐息と淫らな水音が頭の中で大きく響く。
 敏感な箇所を執拗に責められ、凪は体の内側からドロドロに溶けてしまいそうだった。

「凪と、一つになりたい……」

 凄絶な色気を放ちながら、漣が再び凪の上に覆い被さった。
 すっかりほぐれた入り口に熱い塊が押しつけられる。次の瞬間、下腹部に重い衝撃が走った。

 体の中心を真ん中から貫かれるようだった。でも不思議と痛みは感じない。
 しっとりと汗で濡れた背中に手を回す。
 激しく揺さぶられながら、凪は甲高い嬌声を上げた。

「あっ、ああっ……!」
「凪……凪っ……」

 互いの境界がなくなるほど、激しく交わり合う。
 貪るように口付けながら、凪は鮮烈な快感にひたすら溺れていた。
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