傷心女子は極上ライフセーバーの蜜愛で甘くとろける
(やっぱり、騙されてたんだ……また……)

 気を紛らわすようにサラダを口の中へ放り込むも、瑞々しいはずのレタスはそこらへんの草でも食べているように苦く感じた。実際に雑草を食べたことはないけれど。
 
 機械的に咀嚼を続ける凪に、真奈美は眉を下げた。
 
「うーん……確かに気持ちはわからなくもないけど……一回話し合ってみたら?向こうにも事情とかあるんじゃない?凪が真剣に付き合いたいって伝えたら、向こうの反応で色々わかるかもしれないし」
「でも嘘つかれたら?本気って言われても、それが本気かどうかなんてわからないし……」
「そりゃそうだけど……でも、そこは信じてあげなきゃ」

 真奈美の言葉がグサリと胸に刺さる。

「ごめん、そうだよね……真奈美の言う通り。疑ってばっかじゃダメってわかってる……でも、信じられそうになくて……」

 周吾だって、浮気をするような人だとは思っていなかった。四年も付き合ったのに、彼がどういう人間か見抜けなかったのだ。
 ましてや漣は出会ったばかり。一体何を信じればいいんだろう。
 
「ダメだね、私……もう恋愛で傷つきたくなくて、臆病になってる……」
 
 凪が力なく肩を落とすと、真奈美はフルフルと首を横に振った。

「ダメじゃないよ。周吾と別れたばっかりだもん。会ったばっかの男なんてそう簡単に信用できないのなんて、当たり前だよ。根拠のない慰めになっちゃうから何も言えないけどさ。でも私は凪に幸せになってほしいって、そう思ってるよ。だから凪が後悔しないためにも、ちゃんと相手と話してほしい」
「……ありがとう、真奈美。そう、だね……」

 そう答える凪の笑顔にいつもの覇気はなかった。
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