クラスのマドンナに告られた

「そうだ、一ついい?」
「なんだ?」

 そしたら彼女は悪戯っぽい笑みで「私、ここに泊まって行ってもいい?」と言った。

 なんで? 

「いや、ダメだろ。まず着替えとかどうするんだよ」
「それは大丈夫よ。家に一旦行って回収してきたから。それにこれは私の性欲とかそんなのはなく、ただ、翔太君が心配なだけなの」
「でも、寝るところないぞ」
「ソファーがあるじゃない」
「いや、ソファーは寝心地悪いぞ」
「私はそれでも平気だから。それにもし翔太君が体調崩した時に誰もいなかったら不安でしょ?」
「まあ、確かにそうだが……」
「じゃあ、決まりね」

 なんかごり押しされた気がするけど。でも今から全力で拒否ったとしても結局泊まられる気がする。

「私、翔太君が治るまでずっとここで暮らす」
「今日だけじゃなくて?」

今日だけだと思っていたのだが。

「うん。もちろん」
「それ……お前に風邪がうつらないか?」

 今日だけならまだしも……

「マスクしてるから大丈夫!」
「あんまり過信しすぎない方がいいと思うぞ」
「私はもし風邪になっても看病してもらえるから」
「そう言う問題じゃ無い気がするけど」
「私は、自分の体よりも翔太くんの体の方が大事だから」
「いや、自分の体を大事にしろよ」
「やっぱり翔太君は優しいね」
「当たり前の感覚だと思うけど」

 とはいえ俺は幸せなのかもしれない。クラスで一番モテる未来に今看病してもらってるんだから。
 いや、間違いなく幸せだ。

「本当にありがとうな」
「どうしたの? そんな急に改まって」
「いや、な。感謝の気持ちが大事だし」
「ふふ。どういたしまして」

 そして俺の風は未来の看病のおかげもあり、翌日の二時には熱が下がった。未来に二日も学校を休ませていたのは悪かったが、彼女自身楽しそうだったので、気に病む必要はないだろう。
 未来はそう言う人間だ。
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