過去夢の少女
☆☆☆

その夜もやっぱり私は夢を見た。
いつになったらこの悪夢が終わるのか検討もつかない。

これを自分の母親が実際に経験したのだと思うと、夢の中だというのに吐き気がこみ上げてきた。

今日の夢の中は薄暗い場所から始まった。

そこは埃っぽくて電気もついていなくて、高い位置にある小窓から差し込む光で、ようやく狭い体育館倉庫だということがわかった。

普段は使われていなのだろう、そこに置かれているのは破れたマットや、ちぎれたロープばかりだ。

いつか使うだろうと考えてここに打ち捨てられたものたちを見ると、途端に恐怖心が湧き上がってきた。

今の自分もいらないものだ。
そう言われているような気がしたからだ。

実際にここにお母さんを閉じ込めた人間がなにを考えていたかはわからない。

だけど、そこに悪意があることだけは確かに感じられた。
私はヨロヨロと立ち上がり、ドアに近づいて行った。
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