離婚するつもりだった。
「ミンスパイとミートパイはどちらがお好きですか?」
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「世界に繁栄をもたらす王を選ぶ姫」と予言されたために、十五歳になるまで男性と完全に隔離されて育てられた姫君、セリス。
いざ王宮に呼び戻されてみると、その世間ずれ具合は如何ともしがたく。
わたしは、知らない。でも、「何を」知らない?
「選んだ相手を王にする」では、セリス自身はいったい「何者」なのか?
セリスが外の世界に目を向けたとき、滅びた国と滅びかけの国、砂漠の都市と草原の民、そして古き帝国。すべてがめまぐるしく動き出す。
動乱の世界で「覇王を選ぶ姫」として狙い奪われるセリス。初めて出会ったときからセリスを一途に思い続ける、亡国より来た青年。交錯する人間模様と、セリスと彼の物語。
※以前投稿していた「封じられた姫は覇王の手を取り」のリライト版です。旧版より序盤の展開が早いです。
◆他サイトにも公開しています。作者プロフィール記載サイト以外での公開はすべて無断転載です。無断転載禁止。
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★クズ男チャラ男は演技なので安心安全
★愛が重いお兄ちゃんたちの話です
「予算が足りない」
会計監査室の室長である美青年が、騎士団からの申請に渋い顔をする。
新人事務員であるルイスは、室長と騎士の会話にドキドキしながら耳を傾けていた。
騎士団には、ルイスの血の繋がらない兄が所属している。義兄さまの危機……? と危ぶむルイスの前で、騎士はとんでもないことを言い出した。
「最近開発された映像中継魔道具で『騎士団の日常』という映像を配信する。容姿のいい男たちが仲良く睦み合っている姿にご令嬢方は釘付けになるだろう。できればストーリー性も欲しいところだな。こう、一人くらいみんなに構われるような、一回り小さい愛され美少年で『姫』キャラがいれば言うことないんだが」
うちの騎士団はガタイのいい男しかいないからなー……
と、語る騎士と室長の会話を聞きながらルイスは首をひねる。「実際にいない『姫』キャラを仕立て上げるなんて、やらせでは?」
そのルイスの手元に、室長と騎士の影が落ちてきた。
「姫、見つけた」
これは騎士団の必要資金獲得のため、男装して騎士団にもぐりこみ「姫(※男)」として配信任務に体当たりで挑むことになったヒロインの物語。
異世界ゆる配信・似非ボーイズライフ。お兄ちゃんは苦労性。
※メインキャラはBLではありませんが、要所要所に演出として書く可能性があります。
その他、苦手な要素がある方は閲覧ご注意願います。細かいことが気になる方には不向きな内容です。考察や展開の予想感想等は予告なく削除します。
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「……そういうことを言ってもらえる人生、憧れます」
「ん?」
「いえ、私のようにモテようとしなかったり、仕事でも特に可愛げがないと『愛され』って無縁なので。時任さんのような人に、プライベートでそういうこと言われる人生良いなあって」
「……うん?」
「自分も言って欲しいとかじゃなくて! 私はもうその辺諦めついているつもりだったんですけど、時任さんにこれからそれを言われる誰かが、羨ましいなって、思ってしまって」
「うん。何を言っているのかよくわからない」
「わからない……」
「俺、いま体良く振られたのかな? それともまだ望みがあるんですか」
「振られた? 望み? 私……こう……恋愛経験なるものがろくになくてですね……。いまの、告白なんですか」
「わかりにくかったみたいなのでストレートに言いますけど、俺は佐伯さんのことが好きです。結構前からですね。眼中に無いみたいだったので、まずは知り合いになるのが目標でしたが。いきなり、休日に、自分の部屋で湯上りで俺の服着て美味しそうにご飯食べていたら言いますよ。むしろ今言わないでどうする、って」
「確かに、突発的な偶然で疑似的なシチュエーションとはいえ、ここだけ取り出してみるとかなり私たちの関係が進展した状態ですよね。キスも……」
無意識に、袖から少しだけ出た指で、唇をなぞる。
時任の視線を感じた。
目が合うと、こちらの気まずさを吹き飛ばすように明るくにっこりと笑われた。
「あんまり言われたくなかったらごめんなさい。今の、かなりあざと可愛かったです」
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