イケメン転校生に恋をした
そして、時間は流れ、放課後になった。
「はあ、ただいま」
ドアを開け、家へとはいる。
なんだか今日は疲れた。
私の、数少ない勇気を振り絞った日なんだから。
「お帰り花」お母さんがそう笑顔で言う。
私は、軽く息を吐き、ただいまと返事をした。
それを聞き、ママは目をぱちくりとさせた。
「どうしたの花? 元気なさそうだけど」
「何でもないよ」
流石ママだ。
隠し事なんて、この人の前では出来る気がしない。
流石私を十六年間も育ててきた人だ。
でも、
言えないよ。嫉妬しているなんて。
恨みたくはないけど、嫉妬はする。
ずるいよ。大翔君とあんなに思い出を共有していて。
ずるいよ。大翔君と同じ場所で育ってきたなんて。
ずるいよ ずるいよ ずるいよ
ずるいよ ずるいよ ずるいよ
だめだ。これじゃあ、優希に妬みの感情を抱くことになる。
私だって、恵まれてるのに。
そして、お母さんに私の負の感情を悟られないように急いで自分の部屋に行く。
なんでもないよ、とだけ言って。