イケメン転校生に恋をした
「ねえ、大翔君」
私はおずおずと大翔君に訊く。
「どうした?」
「優希ってそんなにロミオがしたかったの?」
大翔君なら、何か知っているかも。
だって幼馴染なんだもん。
何か知っててもおかしくない。
「いや、分からんな」
「分からないんだ」
「そもそも、まさか優希と被ってしまうとは思わなかったな」
やっぱり、大翔君も分からないんだ……。
「ただ、俺になっても優希になっても知り合いとキスシーンになるな、花」
「ちょっと、大翔君!!」
私は思わず叫んだ。
大声で言わないでよ。
それに、キスシーンだって、たぶん、本当にキスするわけじゃないだろうし。
「お二人共話し合いの最中なんですけど」
声が大きすぎたのか、文化委員長に怒られてしまった。
「大翔と花、もしかして僕について話してる?」
しかも、優希も反応している。
今の会話聞かれてたのかな。
「もちろんだよ」
そう返したけど、少し恥ずかしい。
影口をとがめられたみたいで。
「ふふ、それには深いわけがあるんだ。僕が男装して劇に出たいという理由が」
「大したことのない理由じゃねえか」
「大した理由だよ。それにジュリエット役が花だし。そこも大事だよ」
それに対して、大翔君は難しい顔をした。考え込んでいるのだろう。どうやら、大翔君には理解が出来てないようだ。
私も、髪の毛切るまでか? と、少し思ってしまう。でも、男装にあこがれを持つという事には、軽く理解できる。
言われればやってみたい気持ちも分かる。
私には恐らく無理だろうけど。