イケメン転校生に恋をした


 「まあいいや、俺たちもアピール大会と行こう」
 「そうだね。僕と大翔、どっちが選ばれるか勝負だ!!」

 そう二人は互いに手を交わし、アピール合戦が始まった。

優希と一緒にやるのも楽しそうだな、と軽く思ったけど、でも、それでも大翔君と一緒にやりたいという気持ちの方が大きい。
もう、この時点で。どちらの役になっても私には不利益はないと思う。

 大翔君が勝った方が私は嬉しいってだけ。


 「俺は、さっきも言った通り、転校生でクラスの輪の中にはいれているか分からない。だから、主役級の役をして、このクラスで青春がしたい。しかも、ジュリエット役は花だしな。精一杯やるから頼む。俺にロミオ役をやらせてくれ」


 その言葉でクラスがおおっとうなった。この反応、これでロミオ役、大翔君で確定じゃない?
 まだ優希の言葉があるけど。この反応に勝るのかどうかは分からない、優希には悪いけど、勝ってほしくない。


 「僕は、ずっと男性に憧れていた。別にそれは性が分からなくなったとかそう言う問題じゃない。ただ、人間として当たり前にもつ、異性になってみたいという欲望が生んだものなんだ。だから、一人称を僕にしたし、いつの間にか男と一緒に遊ぶことにした。そのおかげで大翔からは男だと思われたけどね、とにかく、僕はロミオ役になって、男として役を演じてみたい。劇の中で男になりたいんだ。だから、僕はロミオをやりたい!」

 優希もなかなかの演説だな、と思った。主観なしだったら優希に入れちゃうかも。


  私はやっぱり大翔君にやってもらいたい。でも、そんなの関係なしだとどうしても迷ってしまう。
 みんなはどっちを選ぶのだろうか。そこが気がかりだ。
 私は大翔君と一緒にロミオとジュリエットをしたい。お願い神様、クラスのみんな、大翔君を選んで。
 ああ、残酷だ。10体28で優希の圧勝となってしまった。これで、完全な共演は無理になった。勿論他の役もある。だが、ジュリエットに関わる役は少ない。
 ああ、どうしよう。
 結局大翔君は大きな役にはなった。


 結局大翔君の役は、パリス、ジュリエットの婚約者だ。
 つまり悪役ではないけど、ストーリー上良くは扱われていない役だ。
 はあ、まあ。
 ジュリエットのことが好きな設定だから、まあいいのかもしれない。


大翔君が私の事が好き、という事になるし。
……勿論大翔君がロミオだったらよかった、というのは変わらないけど。

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