男性不信のお姫様と女性不信の王子様はカボチャ姫を愛す

赤面のディナータイム

待ちに待ったディナータイムよーー！！
もうお腹ペコペコだわーー。

晩餐の席につくと、彩り豊かな前菜がテーブルの上に並べられ、早速美味しいお料理に舌鼓を打った。

ーーなんて美味なのかしら〜〜。

「エレノアちゃん、お疲れではないかしら？」

「はい、大丈夫です。ご心配していただきありがとうございます」

先程まで爆睡しておりましたので。
あの悪趣味なお部屋で……

「ジョセフはすでに侍女達とも打ち解け、城にも馴染んでいるではないか！！　ハッハハハーー」

な、な、なにをーーーー！！！！

隣国の地に来てまで何をしているのです！！お兄様ッ！！

「いえいえ、侍女等が皆親切にしてくれるので助かっておりますよ」

「ジョセフの順応性をアレクシスにも見習ってもらいたいものだぞっ」

「父上、いらぬ話をしないで下さいよ！！」

「いらぬ話ではないだろう。アレクシスはいつもぶっきら棒で、人を寄せつけようとしないから困ったもんなんだ」

アレクシスが……そんなことはないと思うけど……？

「いえいえ、アレクシス王子は心遣いの出来る素晴らしい方ですよ。我が妹のこともアレクシス王子には良くしていただきました」

「そうなのかっ！！　あの堅物の息子が…… エレノアには…… ほほーー」

ハリー国王、大変前のめりになっていらっしゃるわ……

「ウェンスティール国にご滞在中は、我が妹にたくさん付き合ってくださいましたので……」

ぐうの音も出ませんわね。確かに連れ回しました。

「アレクシスはカルテアに帰ってからずっとエレノア、エレノアって、エレノアちゃんのことばかり話していたのよ」

「母上、父上ッ！！　そのような話はおやめ下さい！！」

ーー私のことをアレクシスが……？

「これはもうそういうことなのよ。ねぇ、ハリー？」

「キャロライン、そのようだなっ！！　なぁ、ジョセフ？」

「はい、そのようですねっ！！」

三人で何を納得し合っているのですか？
私とアレクシスが話に入れていないのですが……

「皆さん、ご勘弁して下さい……」

うろたえている……アレクシス……
なぜ赤面しているの？
あれっ！？
でも私って……もしかして幻滅されていなかったの？
それならアレクシスは私のことをどう思っているのかしら……？

「ほらエレノア、メインが運ばれてきたよ。シェフに頼んでエレノアの好きなステーキにしてもらったんだ！！」

「うわぁ！！　とても美味しそうなステーキですね……」

ん・・・！？
私のお皿の上にだけステーキが二枚のっている……どうして……？

「エレノアちゃんはステーキが大好きで、三枚でも四枚でも食べれるくらい好きだってアレクシスから聞いたわ。好きなだけいっぱい食べてね」

「あ、ありがとうございます。嬉しいです……」

ーー穴があったら入りたいッ！！
私の醜態が知れ渡っている……
お母様が知れば卒倒しそうよ。
アレクシス、恨むわよ！！
……だけどせっかくのご厚意、しっかり頂かせてもらいますっ！！

ナイフで小さく切ったステーキをパクッと口に入れる。

ん〜〜美味し〜〜ぃ！！トロける〜〜ぅ！！

「エレノアちゃん、お味はどうかしら？」

「とーーても、美味ひぃですぅ♬」

「フフフ♡ エレノアちゃんが美味しそうに食べてくれてる。良かったわぁ。ねっ、アレクシス？」

「…… はい、良かったです」

また赤面して……どうしたの……アレクシス？
なんだか私までつられて赤面しちゃうじゃないっ！！