ショパンの指先
前半の演奏が終わり、司会者らしき女の人が出てきた。スタッフが椅子を二脚用意して、洵と司会者はその椅子に座り、司会者からの質問に洵が答えるといったファンには堪らない場が展開された。
洵の一挙一動に悲鳴のような歓声が上がる。洵が言葉を発しただけで黄色い歓声が上がり、足を組み替えただけでも会場内はざわめいた。まるでアイドルのようだ。本人はそんな観客たちの反応に毎回苦笑いをしている。その姿にまた胸が締め付けられる。
隣に座っている優馬ですら、洵のことをよく知っているのに「わあ、喋った」だとか「あの顔がくしゃっとなる笑い方、そそるわね」とか一々反応して私に話しかける。私はくだらないと周りの反応を馬鹿にしている風を装いながら、心臓はとても正直で、さっきから煩いくらい鳴っている。
直視すると恥ずかしくなってしまうので、なるべく見ないように心がけるも、洵の低くて甘い声が嫌でも聴覚を刺激する。なんて罪な男なのだとムカムカしてきて、額を思いっきり指で弾きたくなる。洵のバカ野郎と叫びたい。
質問内容は主に最近の洵の音楽活動についてで、海外での生活のことや所属する音楽座の苦労話などを時折笑いも交えて語っていた。洵の話す雰囲気からして、大変なことも多そうだけれど、とても充実しているのだなということが伝わってきた。私の知らない洵の生活の一端を垣間見られた気がして、とても嬉しかった。
そして質問はプライベートなことへと移行する。
「ここにいる皆さんが気になっている恋愛のことについても聞いていいですか?」
司会者の目がキラリと光った。私の肩もビクっと上がる。
「いやあ、気にならないと思いますよ」
洵の一挙一動に悲鳴のような歓声が上がる。洵が言葉を発しただけで黄色い歓声が上がり、足を組み替えただけでも会場内はざわめいた。まるでアイドルのようだ。本人はそんな観客たちの反応に毎回苦笑いをしている。その姿にまた胸が締め付けられる。
隣に座っている優馬ですら、洵のことをよく知っているのに「わあ、喋った」だとか「あの顔がくしゃっとなる笑い方、そそるわね」とか一々反応して私に話しかける。私はくだらないと周りの反応を馬鹿にしている風を装いながら、心臓はとても正直で、さっきから煩いくらい鳴っている。
直視すると恥ずかしくなってしまうので、なるべく見ないように心がけるも、洵の低くて甘い声が嫌でも聴覚を刺激する。なんて罪な男なのだとムカムカしてきて、額を思いっきり指で弾きたくなる。洵のバカ野郎と叫びたい。
質問内容は主に最近の洵の音楽活動についてで、海外での生活のことや所属する音楽座の苦労話などを時折笑いも交えて語っていた。洵の話す雰囲気からして、大変なことも多そうだけれど、とても充実しているのだなということが伝わってきた。私の知らない洵の生活の一端を垣間見られた気がして、とても嬉しかった。
そして質問はプライベートなことへと移行する。
「ここにいる皆さんが気になっている恋愛のことについても聞いていいですか?」
司会者の目がキラリと光った。私の肩もビクっと上がる。
「いやあ、気にならないと思いますよ」