クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「あなたから奪った彼もね、私に言ったの。やっぱり詩穂が良かったって。可愛くて優しくてお前とは違うって。だから、私からフッてやった。そんなに詩穂がいいなら元に戻ればって言ったら、そんなこと今さらできないってカッコつけてたけど、あいつ、ずっと詩穂のことが好きだった。本当、最低」
「……もういいから。止めて……」
「和也だって詩穂に近づこうとした。今までの彼氏だって、詩穂ちゃんって可愛いなとか、詩穂ちゃんも誘ってご飯行こうよとか、みんな詩穂ちゃん、詩穂ちゃんって」
「……」
「私はね、いつだって幸せを奪うあなたを許せないの。大嫌いなのよ。だから、今度こそ、私は桐生課長と結ばれて本当の幸せを掴むの。詩穂に邪魔されない人生を歩むわ」
ショックだった。
瑠香は、ずっと私を憎んでいたんだ。
ずっと友達のフリをしながら――
エントランスからエレベーターに乗り込む瑠香の背中を見送りながら、私の頬にひとすじの涙が流れた。
「私……何やってるんだろ」
拓弥さんに会いたい――
無性に今、私の心がそう叫んだ。
「……もういいから。止めて……」
「和也だって詩穂に近づこうとした。今までの彼氏だって、詩穂ちゃんって可愛いなとか、詩穂ちゃんも誘ってご飯行こうよとか、みんな詩穂ちゃん、詩穂ちゃんって」
「……」
「私はね、いつだって幸せを奪うあなたを許せないの。大嫌いなのよ。だから、今度こそ、私は桐生課長と結ばれて本当の幸せを掴むの。詩穂に邪魔されない人生を歩むわ」
ショックだった。
瑠香は、ずっと私を憎んでいたんだ。
ずっと友達のフリをしながら――
エントランスからエレベーターに乗り込む瑠香の背中を見送りながら、私の頬にひとすじの涙が流れた。
「私……何やってるんだろ」
拓弥さんに会いたい――
無性に今、私の心がそう叫んだ。