クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「止めろ! 佐和田さん、君は詩穂ちゃんの友達だろ? 彼女を傷つけるなら、俺は君を絶対に許さない。友達なら詩穂ちゃんの幸せを願うべきだ」


「……何よ、2人して私をいじめて、そんなに私が嫌いなの? 私は……私は……ただ幸せになりたいだけ。なのに、今までずっとずっと詩穂に邪魔されてきた。本当に……ひどいよ。2人とも大嫌い! 詩穂なんか不幸になればいい!」


瑠香は、悲しい泣き声を残し、拓弥さんの部屋を出ていった。


いったいどんな気持ちでおでんを作ったのだろう。拓弥さんに食べてもらいたくて、きっと一生懸命……
テーブルの上に置かれた瑠香のおでんを見ていたら、なぜだか自然に涙が溢れてくる。


私だって瑠香には幸せになってもらいたい。
何があったとしても、友達の幸せは……願っていたい。
今の私には何もできないけれど……
本当にごめん……瑠香、許して……
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