クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由～隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる～

愛する人との幸せな時間

「はい、ミルクティー」


「ありがとうございます」


拓弥さんの部屋のテーブルには温かいミルクティーが入ったマグカップが2つ置かれている。
キッチンには食器が2人分、洗面台には歯ブラシが2本、バスルームにはバスタオルが2人分……


もう、このマンションに私の部屋は無い。


「新居もそろそろ完成するし、ここは出ないとならないな」


「何だか……寂しい気もします。このマンションには色々な思い出がありますから」


「そうだな。君と初めて話した日のことを今でもハッキリ覚えてる。自分を良い人間に見せたくて、本当の自分を隠して……。勇気を出して君に話しかけたけど、あの時は本当に緊張したよ」


「今でも信じられないです。拓弥さんが、あの時すでに私のことを想っていてくれてたなんて」


「今までの出来事は、こうして2人でいるために、全て必要なことだったんだな」