クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
何と表現すればいいんだろう。
とにかく、頭のてっぺんから足のつま先まで、全てが「完璧」。


こんなキラキラした人間が実在するなんて……
この世のものとは思えない、恐ろしい程の最上級イケメンに、私は一瞬で心を鷲掴みにされた。


こんなことは生まれて初めてで、今、感情がぐちゃぐちゃになっている。


「桐生です。よろしくお願いします。これ、良かったら食べてください」


目の前に差し出された某有名百貨店の紙袋。


「……いただいてもいいんですか?」


「もちろんです。美味しいですよ、ここのメロン。嫌いじゃないですか?」


「メロン、大好きです! ありがとうございます。でも、これ……きっとものすごく高価なものですよね?」


そっと覗くと、紙ではなく、木箱が入っている。


「いえ、気にしないで下さい。これから何かとご迷惑をおかけしてしまうかも知れません。どうぞよろしくお願いします」


本当に言葉が丁寧で、立ち居振る舞いも素晴らしく、かなり好感が持てる。
< 3 / 278 >

この作品をシェア

pagetop