クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「果物、どれがいいかな。俺は梨が好きだから、この梨、1個だけもらうよ。詩穂ちゃんはあと全部食べて。メロン、好きだって言ってたよね?」


「でも、昨日の夜にも1個もらいましたし、さすがに厚かましいです」


「構わないから。そうだ、誰かに分けてあげるといい」


「えっ……でも……」


「遠慮しなくていいから」


「本当にいいんですか?」


「ああ。どうせ1人じゃ食べきれないんだし」


「じゃ、じゃあ、私の家族に……」


「いいね。ご家族は果物は好き?」


「はい! それはもう。果物みんな大好きなんです。特にメロンには目がなくて。絶対に喜びます」


「良かった。ご家族は近くに住んでるの?」


「はい。車で10分くらいのところにいます」


「だったら一緒に持っていってあげる」


「そ、そんなそんな! 大丈夫です。父に車で取りにきてもらいますから。そこまでしてもらうのはさすがに……」
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