クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「きゃ~!! ま、真穂さんだって~! ねえ、聞いた? 聞いた?」


テンションMAXで喜ぶ真穂。


「お前ら、いいかげん恥ずかしいから止めなさい。本当、しょうがないな。すみません、桐生さん」


見るに見かねてお父さんが口を挟んだ。


「いえいえ。楽しい時間を過ごさせてもらって、とても嬉しいですよ」


「あなたみたいな性格も良い男前だったら、キチンとしたお相手もいるでしょうに。うちの女性達に気を遣ってもらって、本当にすみません。それに、こんなにたくさんの果物、よろしいんですか?」


「もちろんです。大事な詩穂さんのご家族の皆さんに是非と思いまして。それと……私には他にお付き合いしている人はいません」


拓弥さん……
そんなにハッキリと断言して大丈夫なんだろうか?
私にはまだ信じられないけれど……


「まあ、本当に? ということは、やっぱり詩穂と?」


「お母さん、だから違うの。私はね、桐生課長のただの部下だから」
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