クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由～隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる～

隣に引越してきた「桐生 拓弥」さん。
180cmはあるだろう高身長で、品の良い高そうなスーツを身にまとっていた。
手足が長くて、全体的に細身な、まるでモデルのような体型だった。


「顔は……」


確かに緊張で凝視することはできなかったけれど、目を閉じれば、一瞬を切り取った写真のように、あまりにも鮮やかで美しい桐生さんが頭の中に映し出された。


緩やかにカーブを描いた眉、クールでキリッとした切れ長の目、鼻筋の通った高い鼻、色気のある薄めの唇……
それらがとてもバランスよく配置されていた。


髪型は確か、清潔感があって、ふわっとラフな感じだった。前髪も自然にサイドに流れて、全体的に軽くパーマをかけていた。


その姿は、絵本に出てくる王子様のようにキラキラと輝いて見えた。