クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
もちろん、男性スタッフ達も、時々秘書室からやってくる妖艶で美しい「城之内 沙織」さんに釘付けだ。
いつだって、美男美女は特別。
私には一生上がれない華やかなステージで、周りの視線を常に浴び続けている。その賞賛が止むことはない。


私は、1番人口の多い平凡なステージで、ただ毎日を平穏無事にと願いながら好きな仕事を頑張っている。
それが私の生きる道だと思って――


何が幸せで何が不幸せなのかはわからない。
それは個人によってみんなそれぞれ違うはず。
だったら、私にとっての1番の「幸せ」は、いったい何なのだろうか?


未熟で人生経験の浅い今の自分には、その答えを見つけ出すことは難しいけれど、「幸せ」になりたいと、ほんの少しでも願えるようになったことに関しては……私自身の成長なのかも知れない。
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