クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「詩穂ちゃん、あなたはね、とっても可愛いし、素敵な女性だと思うわ。でも、それを認めたくないのか、気づいてないのか、それとも……過去に何か傷ついたのか」


「……沙織さん?」


「まあ、そんなプライベートなことを私が詮索してもしょうがないわよね。でもね、詩穂ちゃん。あなたは仕事以外でも自分の思いをきちんと言葉にした方がいいし、もっと人生を楽しんだ方がいいと思うわ」


沙織さんの言ってる意味が正直よくわからない。
私は……何かを我慢しているように見えるのだろうか?


「ありがとうございます。私のこと、色々考えて下さって。そんな風にアドバイスをもらえるなんて有難いです」


「お待たせしました」


バイトの女の子だろうか、見るからに美味しそうなピザを運んできてくれた。
半熟たまごが食欲をそそるビスマルク。


「うわぁ、美味しそう」


「でしょ? 見た目だけじゃなくて本当に美味しいのよ。熱いうちにいただきましょ」


沙織さんは慣れた手つきでピザをカットしてくれた。
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