クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「ありがとうございます。いただきます」


口に入れた瞬間の、濃厚な黄身とチーズのとろ~り感がたまらない。


「どう?」


「うわっ、これ、すごく美味しいです」


「でしょ? ビスマルクの名前はね、ドイツのビスマルク首相からきてるのよ。たまごが大好きだったかららしいわ。マルゲリータも女性の名前らしいし」


「そうなんですか。全然知らなかったです。沙織さん、詳しいんですね。勉強になります」


「亜里の受け売りだけどね」


さりげなくウインクをする沙織さん。
本人は何も気づいていないだろうけど、こういう仕草に男性は心を射抜ぬかれてしまうに違いない。


「あの……沙織さんは桐生課長とは仲がいいんでしょうか?」


突然話題を変えて、嫌な気持ちにならないか心配になる。


「ん? どうして?」


「あ、いや、その……お2人のやり取りがすごく自然なので……」


「そうよ。かなりの仲良し」
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