クールなイケメン御曹司が私だけに優しい理由~隣人は「溺愛」という「愛」を教えてくれる~
「えっ、あっ……」


あまりにはっきり言われてびっくりした。


「拓弥はね……」


た、拓弥?!
まさかの呼び捨てだ。


「私の大学時代の友達なの。同じ学部でよく同じ授業を受けていたからね、気づいたらいつも一緒にいたわ」


「そ、そうなんですか……。ということはその……」


「彼女」


「はっ」


「……なんてね。ごめんなさい、嘘よ。拓弥とはただの気の合う仲間。親友とまではいかないけど、それに近い信頼関係。わかるかしら?」


「……あ、いや、あの……」


「まあ、彼女というポジションには一生ならない。向こうも私を彼女にしようなんて1ミリも思ってないし。だって、彼は私を1番理解してくれてるから。だから、拓弥は私を秘書に指名したの」


「沙織さん……」


2人の関係は恋愛感情では結びつかない?
友情という硬い絆で繋がっているというの?
はっきりとは明言しない沙織さんだけど、嘘をついているようには思えない。
< 64 / 278 >

この作品をシェア

pagetop