【受賞】ブルーガーネットな恋 ~エリート上司は激愛を隠して部下に近づく~
「あーあ、怒らせちゃった。ほんと、辞めたら」
萌美は嘲笑を浮かべてぼそっと言う。その言葉は柚花の胸に深く突き立った。
「いらっしゃいませー」
なにも言わない柚花を置いて、萌美が接客用の笑顔でお客様に声をかける。
「深雪山さん、大丈夫?」
「はい」
京吾に声をかけられ、柚花は頷く。
「だったら笑顔で」
「はい」
柚花は無理やり笑顔を作った。
「新人じゃないんだから、しっかりね」
冗談めかした京吾の言葉が、萌美の言葉以上にぐさりと突き刺さる。
「店が閉まったら、ちょっと話をしよう」
「はい」
お説教をもらうのだろうか。
柚花はどんよりした内心を抱え、必死に笑顔を作って接客を続けた。
京吾は定時で上がっていった。
柚花とは閉店後に駅で待ち合わせになっているが、なにを言われるのか想像するだけで胃が痛くなる。
客が途切れ、沙知絵がトイレに行ったときだった。
萌美は嘲笑を浮かべてぼそっと言う。その言葉は柚花の胸に深く突き立った。
「いらっしゃいませー」
なにも言わない柚花を置いて、萌美が接客用の笑顔でお客様に声をかける。
「深雪山さん、大丈夫?」
「はい」
京吾に声をかけられ、柚花は頷く。
「だったら笑顔で」
「はい」
柚花は無理やり笑顔を作った。
「新人じゃないんだから、しっかりね」
冗談めかした京吾の言葉が、萌美の言葉以上にぐさりと突き刺さる。
「店が閉まったら、ちょっと話をしよう」
「はい」
お説教をもらうのだろうか。
柚花はどんよりした内心を抱え、必死に笑顔を作って接客を続けた。
京吾は定時で上がっていった。
柚花とは閉店後に駅で待ち合わせになっているが、なにを言われるのか想像するだけで胃が痛くなる。
客が途切れ、沙知絵がトイレに行ったときだった。