眠りの令嬢と筆頭魔術師の一途な執着愛

44 決着

「イヴ!」

 ローラが叫ぶと、イヴはローラを見て静かに微笑んだ。そこにいるのはエルヴィンではなく、間違いなくイヴだった。

「もう一度イヴの体にエルヴィン殿下を!イヴを抑えてください!」

 クローの言葉にイヴの兄たちが慌ててイヴを抑えつけようとする。だが、突然イヴの兄たちは弾き飛ばされた。

「させねぇよ」

 フェインが魔法でイヴの兄たちを弾き飛ばしたのだ。そのまま拘束魔法をかけて動けなくする。

 さらに、ヴェルデがイヴに防御魔法をかけて攻撃されないようにした。

「形勢逆転だな、クロー」

 ヴェルデが厳しい顔つきでクローを睨みつけると、クローは悔しそうに唇を噛んだ。だが、すぐに不敵な笑みを浮かべる。

「ふっ、ははは、これで勝ったつもりですか?憑依する体がなければ、俺がなればいい」

 そう言って、クローは片手を自分の胸に当てると、クローの胸元に魔法陣が浮かび上がる。

「そうはさせない」

 突然、どこからともなく声がして、クローの近くに魔法陣が浮かび上がり、そこにはクレイがいた。

< 153 / 190 >

この作品をシェア

pagetop