眠りの令嬢と筆頭魔術師の一途な執着愛
「師匠!やっと、やっと会いに来てくれたんですね!」

 クローはクレイを見て目を輝かせる。だが、クレイの表情は厳しかった。

「こんなことになるならお前を野放しにするべきではなかった」
「師匠、俺は蘇りの魔法を完成させたんです!今度は自分の体を使ってまた必ず成功させます!だから」
「それはダメだと言っただろう」

 クレイがそう言って片手をイヴから出た黒いモヤに向けると、黒いモヤにバチッと電流が走り、稲妻の鎖が拘束する。

「師匠!何をするんですか!」
「お前を追放した時、魔法を取り上げるのはあまりにも可哀想だと思った。だが、やはりあの時に取り上げるべきだったな」

 クレイはそう言ってクローの額に片手をかざすと、クローの胸元の魔法陣が消える。そして、クレイの額も輝きだした。

「師匠、何を……!」
「お前は禁忌を犯した。その罪はきちんと償わなければいけない。そして、お前はもう二度と魔法を使うことはできない」

 クレイの言葉に、クローは両目を大きく見開いた。

「師匠……どうして!師匠!やだ!俺から魔法を奪わないで!師匠!」

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