眠りの令嬢と筆頭魔術師の一途な執着愛
「ヴェルデのローラ様への気持ちは重すぎるくらいだね。愛想を尽かされないように気をつけるんだよ」
「えっ、ローラ、俺に愛想を尽かしてるの?」
「そんな、大丈夫ですよ。慌てないでください」
「でもこのままの調子だと、流石のローラもいつか呆れてしまう時が来るんじゃないのか」
「そんな!」

 クレイの揶揄いにヴェルデが困ったようにローラに縋りつき、宥めるローラを見てフェインがまたヴェルデを揶揄う。その様子を見ながらイヴとクレイは目を合わせて微笑んだ。

「……兄たちが本当にすまないことをした。ローラ嬢が無事で、全て解決して本当によかったよ。ローラ嬢、どうかお幸せに。って、俺がそんなこと言わなくても、ローラ嬢が幸せなのは決まってるんだろうけど」

 イヴがローラとヴェルデを見ながらそう言うと、ヴェルデは口の端を上げて頷く。ローラはイヴの両手を取って微笑んだ。

「ありがとう、イヴ。あなたも無事で本当によかった。イヴもどうか、幸せでいてくださいね」
「ああ」

(見た目も声もエルヴィン様と瓜二つだけど、イヴはやっぱりイヴだわ。目を見て話をしてももう怖くないし、イヴにはこれからずっと幸せでいてほしい)

 ローラの心の中に、暖かなものが流れ広がっていく。初めて出会った時はエルヴィン殿下が現れたのかと驚き恐怖でしかなかったが、イヴがイヴとして生きていると知ってから恐怖は無くなっていた。百年以上続くエルヴィン殿下の末裔としてのしがらみを自ら解き、ローラに対して百年前のローラではなく今現在のローラとして接してくれた。
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