ワケありニートな年下ワンコを飼いました
「うわぁ、あったかそう!」

 プレゼントしたのは、グレーとゴールドのリバーシブルマフラーと、ブラウンのクラシックチェックがオシャレな羊革の手袋。

 ベタかもしれないけれど、寒い冬を少しでも温かく過ごしてほしいと思って選んでみた。……もちろん、自分のセンスには自信がないから、店員さんに相談しながら。

「まさかこれ、カシミアですか?」
「うん。あったかいから」
「これがカシミアかぁ! すんごい手触りがいい! 手袋も、デザインがいいですね」
「本当はクリスマスに渡そうと思ったんだけど、寒くなるみたいだから、すぐに使ってもらいたくて……」
「毎日使いますよ! あぁー、嬉しいなぁ。どうですか? 似合います?」

 さっそくマフラーと手袋を身につけるガクくん。よかった、ちゃんと似合っている。

 そしてガクくんは、そのまま出かけていった。仕事中も身につけておきたい、なんて言いながら。
 こんなに喜んでくれるなんて思わなかったな。彼の喜ぶ顔を見ると、私も嬉しい。

 いくら生活費を負担しているといっても、家事をすべて担ってくれているのを、当たり前として享受したくない。だから私は私にできることで、ガクくんの心を満たしたかった。

 飼い主とペット。そんな関係じゃなくて、きちんと人として向き合って、お互いを理解していきたいから。
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