ワケありニートな年下ワンコを飼いました
 それからガクくんは、出かけるときに必ずマフラーと手袋を身に着けるようになった。帰宅後は、柔らかいタオルで丁寧にマフラーの埃を取ってから、ハンガーにかけている。

 プレゼントしたものを大切に扱ってもらえると、私自身を大事に想ってくれているように感じて、とても幸せだった。

 そして予報通り寒くなった、クリスマスの夜。ガクくんは、いつもより早く帰宅してきた。

「今日は比較的ゆったりだったので、早めにお店を閉めたんですよ」

 イブの昨晩はお店がかなり忙しかったらしく、帰ってきたとき、ガクくんはクタクタだった。

 だから今日の夕食は、デリバリーにするつもりだったのに。いつも通り、しっかりと用意してくれたのよね。本当に頭が下がるわ。

「疲れたでしょう? 足は大丈夫?」
「大丈夫ですよ。ぼちぼち、立ち仕事にも慣れてきたし」

 そうは言うものの、やっぱり少し疲れた様子。私はいつもガクくんに癒されているけれど、私からできることはないのかな。マッサージ……は、力加減を間違えそうで怖いし。

「そうだ。彩女さん、お風呂まだですか?」
「うん。これからだけど……」
「じゃ、溜めますね!」

 やたらと張り切って、ガクくんがバスルームへ向かう。先に入りたいのかな?
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