ワケありニートな年下ワンコを飼いました
 ただ、ガクくんとつながることは求めている。この体温を、ずっと感じていたい。ずっとずっと、抱き合っていたい。それだけは、はっきりと感じる。
 こんなことを思うのは初めて。だけど私は、この感情の正体を知るのが怖かった。

「そうだ、彩女さん。明日も、お弁当いりますー?」

 一度シャワーを浴びて、今度こそ寝ようとベッドへ横になると、ガクくんが目をこすりながら訊いてきた。行為中の色っぽい表情とは打って変わって、少し眠そうな顔があどけない。

「うん。明日は外勤やランチの予定もないし、お願いしたいな」
「それなら、僕が会社へ持って行っていいですか? ちょうど明日のお昼ぐらいに、六本木で用事があるんですよ」

 ガクくんが六本木に用事だなんて、珍しい。もともと出不精らしくて、普段は家の近所に買い物へ行ったり、池袋か丸の内の本屋へ行くぐらいなのに。

「わざわざ、うちの会社まで来るの?」
「はい。できるだけ作りたてを食べて欲しいなぁって……ダメですか?」
「ううん、ガクくんが面倒じゃないのかなと思っただけ。すごく嬉しい」
「やった! じゃあ、配達しに伺いまーす!」

 とっても嬉しそう。本当にかわいいなぁ。
 いつも楽しそうにお弁当を作ってくれるから、私もお願いしやすいのよね。
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