ワケありニートな年下ワンコを飼いました
 そして翌日。
 プロジェクトメンバーとのリモート会議にデータの分析など、あれこれ忙しく動いていると、あっという間にお昼になった。

 昼休みの時間は固定ではなくて、業務の状況に応じて各自で取ることになっている。だけど、大体12時から14時くらいの間で取る人がほとんど。お腹が空くし、お店のランチ提供時間もあるものね。私もよほどのことがない限り、そのぐらいでお昼にしている。

 少し前に、ガクくんから家を出たと連絡があったから、そろそろエントランスに下りておこうかな。

 このビルは3階から24階までは住宅で、25階から47階がオフィスになっている。会社は32階にあって、混雑時は1階へ下りるまでに時間がかかるのよね。

 たくさんの人が行き交うエントランスでしばらく待っていると、ガクくんから電話が来た。

「もう着きますよー」
「じゃあ、表に出るわね」
「え、いいですよ。寒いし」
「もう出たから……あ、ガクくんが見えた」

 軽く手を振ると、気がついたガクくんが小走りで向かってくる。
 私がプレゼントしたマフラーと手袋をしっかり身に着けて、満面の笑みで駆け寄る姿が、たまらなく愛おしい。
 
「お待たせしましたぁ」
「ううん。わざわざありがとう」

 もしかして急いできたのかな。少しだけ、鼻が赤い。
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