ワケありニートな年下ワンコを飼いました
 まだまだ、変化を怖がる年齢じゃない。そう思っているのに踏み出せないのは、ガクくんの隣にいる自信がないから。

 彼より7歳上だけど、仕事しか能がないポンコツ。結婚する気もなければ、子どもが欲しいとも思えない。女としての魅力なんて、なにひとつない人間なんだもの。こんな女に、本気で惹かれるわけがない。

 ガクくんはまだ若いし、これから先もたくさんの出会いがある。なかには彼に釣り合う魅力的な人だっているだろうから、その可能性の芽を摘んでしまいたくない。

 凛子が言うように決めつけはよくないと分かっているけれど、そう考えて接するほうが楽なの。

「あ、午後はミーティングがあるんだった! 準備しなくちゃ」

 残りのおかずを平らげると、凛子は慌ただしくリフレッシュルームを出ていった。私はまだ時間があるし、ガクくんのお弁当をゆっくり味わおう。

 レンジでチンしていないのに、温かくて美味しい。できるだけ作りたてを食べてほしいと言っていたけれど、作ってすぐに詰めて、急いで持ってきてくれたのかな。
 
 そういえば、この保温弁当箱はいつの間に買ったのかしら。渡している生活費から食材や生活必需品以外のものを買うときには、必ず報告してくれるんだけど。もしかして、自分のお給料で買ったの?
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